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Q&A 金融機関取引の基本

担保編

Q16

 当社は、金融機関が抵当権設定登記を受けた第三者所有土地上に建物を所有して土地を賃借し、同建物につき所有権保存登記を経ています。もし土地の抵当権が実行された場合、当社の建物はどうなるのでしょうか。

Q16

 地上建物の所有権保存登記を経ている場合は、借地権につき第三者対抗要件を具備していることになります(借地借家法10条1項)。
 したがって、上記建物保存登記が土地抵当権設定登記より前になされていれば、抵当権実行による土地競落人に対して借地権を主張することができ、従前どおり土地を賃借して地上建物を使用することができます。
 しかし、建物保存登記が土地抵当権設定登記より後になされたのであれば、借地権は抵当権実行により覆り、土地競落人に対して借地権を主張することができず、地上建物を収去して土地を明け渡すことを余儀なくされます。
 なお、地上建物の所有権保存登記ではなく、借地権そのものにつき登記を経て対抗要件を具備している場合(民法605条)には、その登記が土地抵当権設定登記よりも後れるときでも、全抵当権者が同意して、かつその同意の登記があるときは、同意した抵当権者に対し借地権を対抗することができます(同法387条1項)。
 もっとも、借地権そのものについて登記することはほとんどありませんので(土地賃貸人が賃借権設定登記に応じることがまずない)、あまり活用余地はありません。