元銀行員の弁護士による企業金融 事業再生 コンサルティング

トップページ > Q&A担保編 > Q11

Q&A 金融機関取引の基本

担保編

Q11

 抵当権実行による競売で土地を購入したいのですが、第三者が所有する未登記の地上建物が建っています。土地購入後にこれを取り壊すことはできますでしょうか。

A11

 まず、土地と建物は別個の不動産なので(民法370条本文)、土地競落人が地上建物の所有権を取得するわけではありません。
 地上建物があくまで他人の所有物である以上、これを土地競落人が勝手に取り壊すことはできません。
 しかし、所有権には排他的支配性がありますので(同法206条)、土地所有者は土地の占有者に対し、土地の返還を請求することができます。
 そこで土地競落人としては、地上建物所有者に対し、建物を取り壊して土地を明け渡すことを求めますが、これに応じない場合は、建物収去土地明渡請求訴訟を提起することになります。
 (なお、地上建物所有者と異なる第三者が同建物を賃借して居住する等により土地を占有している場合には、この者に対しても建物退去土地明渡請求訴訟を提起する必要があります。)
 未登記の地上建物所有者は土地競落人に対して借地権を主張できませんから(借地借家法10条1項)、通常この請求は認められ勝訴することになります。
 土地競落人は勝訴の確定判決を債務名義として(民事執行法22条1号)、裁判所に建物収去土地明渡の強制執行を申し立てます(同法168条)。
 その際通常、執行官が建物所有者に代わって建物所有者の費用負担をもって建物を収去(取り壊し)することを申し立てます(民法414条2項本文、民事執行法171条。代替執行)。
 土地競落人は、執行官から建物取り壊し後の更地の土地の引渡しを受けることになります。