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Q&A 金融機関取引の基本

事業再生・倒産編

Q12

 民事再生手続中に事業譲渡をすることは可能でしょうか。

A12

 再生計画に基づき事業譲渡をすることも可能ですし、再生計画外でも一定の要件を充たしたうえで事業譲渡をすることも可能です。
 後者の再生計画外での事業譲渡が比較的使われますので、以下説明します。
 計画外の事業譲渡をするためには裁判所の許可を得なければならず、裁判所は「当該再生債務者の事業の再生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができ」ます(民事再生法42条1項)。
 そして、裁判所はこの許可をする場合には、知れている再生債権者と労働組合等の意見を聞かなければなりません(同条2・3項)。
 なお、この裁判所の許可を得ないで事業譲渡を行った場合、その事業譲渡は無効となります(ただし、善意の第三者には対抗できません)(同条4項)。
 また株式会社の場合は、上記裁判所の許可に加えて、原則として会社法上の事業譲渡の承認手続(株主総会特別決議(会社法467条1項)等)が必要となります。
 この会社法上の手続については、詳しくはQ3をご参照ください。
 もっとも、民事再生手続においては、再生手続開始後において株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないとき(いわゆる債務超過の場合)は、裁判所は上記会社法上の承認手続に代わる許可を与えることができます(民事再生法43条1項本文。代替許可決定)。
 この代替許可決定を得るための条件は、債務超過であることと、当該事業譲渡が事業の継続のために必要であることです(同条項但書)。
 この「事業譲渡が事業の継続のために必要であること」とは、「原則として、営業譲渡をしないと、当該事業が遅かれ早かれ廃業に追い込まれるような事情がある場合や、当該営業の資産的価値が著しく減少する可能性がある場合に限」るとして厳格に解した裁判例があります(東京高裁平成16年6月17日決定)。
 以上の手続により、計画外の事業譲渡が可能となります。