元銀行員の弁護士による企業金融 事業再生 コンサルティング

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為替デリバティブ

金融ADR(あっせん)

 こうした状況を解決するためには、中途解約をしたうえで解約清算金をカットしてもらうことが必要となりますが(過去に支払った額の取戻しを請求することもあります)、一種の債務のカットですので、これも事業再生といえます。
 そして、そのための枠組みとして、金融ADR(あっせん)が多く活用されております。
 金融ADR(あっせん)とは、あっせん委員会という第三者を介したいわば話し合いによる解決です。
 企業側は、為替デリバティブ契約の問題点や説明不足など銀行側の過失を主張して、あっせん委員会に理解してもらい、銀行がなるべく多くの解約清算金のカットをするあっせん案を提示してもらうことを目指します。
 あっせんで一番大きな争点となってくるのは、為替デリバティブ契約が当該企業のニーズや実情に合致していないものであるかどうかです(適合性原則違反といいます。)。
 例えば、当該企業は輸入仕入れが全くないのに、数年間一定の米ドルを購入し続ける契約であれば、その企業のニーズや実情に全く合致していないということになります。ここまで極端な例は少ないとしても、企業の外貨実需に見合わない契約(ヘッジニーズの欠如、オーバーヘッジなどと言います。)は多々見られます。
 ヘッジニーズの欠如やオーバーヘッジには様々な類型があります。
 上記のような、全く外貨実需がないケースの他、一定の外貨実需はあるが、デリバティブ契約による外貨購入額が大幅に実需を超過しているケース、一定の外貨実需があるが、輸入仕入れ単価をそのまま販売単価に転嫁できるため実質的にはヘッジニーズがないケース、販売も外貨建て外貨決済なので実質的にはヘッジニーズがないケース、などです。
 企業側は、この他に銀行側の説明義務違反や損失拡大防止義務違反などの主張もします。
 企業側の代理人となる弁護士は、企業の商売の流れ(商流といいます。)を正確に把握したうえで、上記のようなヘッジニーズの欠如やオーバーヘッジの類型も意識して、為替デリバティブ契約がいかにニーズや実情に合致しないかを、事実と証拠に基づき主張として組み立てます。
 そのためには、決算書や勘定科目明細、場合によっては月次資金繰り表や為替台帳等まで精査・分析することが必要となります。
 こうした調査・分析は、銀行が最も得意とするところであり、融資審査等を通じて多くの情報を得ていることから、こうしたプロの銀行を相手に主張・交渉するためには、代理人弁護士としても、相当の企業金融の知識や実務経験を有し、企業の商流や財務内容、資金繰り等を正確に分析・把握したうえでうまく使いこなすことが重要かつ有効となってきます。

終わりに

 当事務所では、銀行と為替デリバティブを行っている企業向けにご相談対応や為替デリバティブ処理業務を提供しております。
 具体的ケースに即してより詳しくお知りになりたい場合は、お気軽にご相談ください。
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 ご相談・業務の流れ(為替デリバティブ処理)Q&A 金融機関取引の基本 デリバティブ編もご参照ください。

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