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為替デリバティブ

為替デリバティブとは

 近時問題となっている為替デリバティブとは、わかりやすく言えば、主に中堅中小企業と銀行との間で締結される、企業が銀行から長期継続的に外貨を購入する契約のことを言います。
 銀行によって、「通貨オプション契約」、「クーポンスワップ契約」、「通貨スワップ契約」、「通貨及び金利交換契約」、「選択権付先物為替予約」、「オプション付外国為替先物」、「金利の相互支払に関する契約」などと名称は異なりますが、いずれも基本的に内容は同じです。
 これに、「レバレッジ」とか「ギャップ」とか「ノックアウト」とか「ノッチ」とか様々な特約が付されてより複雑で分かりにくくなっていることも多いです。
 契約書や確認書で「コールオプション」とか「プットオプション」とか「スワップ」とか聞きなれない用語が出てきますが、これらに惑わされる必要はありません。
 要は長期継続的に一定の外貨を一定の価格で購入するというものですから、企業は円安になれば儲かり、円高になれば損をするという、銀行を相手に為替レートで丁半ばくちをしているのと同じなのです。
 ただし、上記の様々な特約により銀行側が負けにくく、かつ企業側の損失が大きくなるようになっているので、丁半ばくちよりもたちが悪いかもしれません。
 近時の超円高の継続や特約の発動により、為替デリバティブをやっている多くの中堅中小企業で、本業で獲得した利益の大半やそれ以上が為替デリバティブ損失に消えてしまい、赤字決算や自己資本毀損を余儀なくされ、債務超過転落や破産等の法的整理に追い込まれている事例も出ております。

解約清算金(損害金)

 企業としては、一刻も早く契約を解約したいところですが、中途解約すると巨額の解約清算金が発生し、その一括支払い債務を負担することになります。
 解約清算金の具体的な算出根拠は銀行が開示しないので正確には分かりませんが、概ね、解約時のスポットレートを前提として、各回の外貨購入決済に伴う企業側の為替差損を契約残存期間で累計した額の割引現在価値となっているようです。
 契約の条件や本数によって解約清算金は巨額なものとなり、企業によっては億円単位に上ることもあります。
 契約を中途解約して解約清算金が発生すると、決算上営業外損失や特別損失として巨額の損失が顕在化するとともに、一括支払いのための資金調達が問題となりますので、こうした財務上、資金上の負担に耐えられず、中途解約に踏み切れずに歯を食いしばって各回の外貨購入決済を履行し続けている企業も少なくありません。

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